2021 × 秋の思物
その一歩を踏み出したとき
きっと僕は涙を流すでしょう。
涙の理由はわからないけれど、
その涙には、
きっとこれから訪れる死への少しの畏れと、
それまで触れた人たちの暖かさと、
人生にはそんな暖かみがあると知っていながら、生きる強さをもてない自分に対してのふがいなさが含まれているんだろう。
そんなことを思った夜、僕はここに文字を綴りたいと思った。
この小説を書き終えたとき、僕はきっと死をもう一度見つめ直すことができるでしょう。
10月15日夜。